AI、気になる。でも、よくわからない 9 つの疑問に、公的な調査の数字で答える

この記事でわかること
- 生成 AI を使ったことがある人は 58.8%(総務省)
- 「効果あり」は 8 割、期待どおり以上は 31.8%(IPA)
- 主な AI は無料で始められ、有料は月 8 ドルから
確認した環境: 総務省・経済産業省・中小企業庁・IPA・中小機構・日本銀行・個人情報保護委員会の公表資料 / Claude・ChatGPT・Gemini・Microsoft 365 の料金のページ / 2026年10月12日に確認
「AI って結局なに?」「みんな使っているの?」「危なくないの?」。AI をまだ仕事で使っていない人がよく口にする 9 つの疑問に、国や公的な機関の調査の数字で 1 つずつ答えます。数字はすべて、2026年10月12日に元の資料を開いて確かめました。

1. AI って結局なに? ChatGPT も AI?
いま話題の中心は、文章や画像を作る「生成 AI」です。ChatGPT も Claude も Gemini も、生成 AI のサービスです。
- 国の「AI事業者ガイドライン」(総務省・経済産業省、第1.2版、2026年3月)は、AI には「未だ確立された定義は存在しない」と書いています。
- 生成 AI は、同じガイドラインで「文章、画像、プログラム等を生成できる AI モデルにもとづく AI の総称」とされています。
- 目標に向けて自分で作業を進める AI は「AI エージェント」と呼ばれます。プログラムを書いて動かす Claude Code や Codex が、その例です。
- 使われているのは、ほとんどが文章の生成 AI です。総務省の調査(2026年1〜2月・日本の 15〜69歳 1,236人)で、文章の生成 AI を使ったことがある人は 55.0%、画像・動画は 16.3% でした。

次に読む: AI エージェントの例は、Claude Code とは? できること・使える場所・料金と、Codex とは? CLI・IDE 拡張・クラウドの違いで紹介しています。
2. みんな、もう使っているの?
日本では、6 割近くの人が使ったことがあります。1 年で 2 倍になりました。ただ、年代による差は大きいです。
- 総務省の同じ調査で、生成 AI を「使っている(過去使ったことがある)」と答えた人は 58.8% でした。前の年の調査は 26.7%、その前の年は 9.1% です。
- 15〜19歳は 91.7%、20〜29歳は 78.2% です。60〜69歳は 33.5% でした。
- 米国とドイツはどちらも 75.6%、中国は 93.6% で、日本より高くなっています。
- 使ったことがある人のうち、「ほぼ毎日」使う人は、日本で 29.9% です。

次に読む: 使うとどうなるかは、体験談のClaude Code と Codex に同じ不具合を直してもらったに書いています。
3. 会社では、どのくらい使われているの?
大きい会社ほど進んでいます。中小企業で AI を導入している会社は、2 割ほどです。
- IPA(情報処理推進機構)の調査(2026年4〜6月・国内の 1,794社が回答)で、AI を「導入している」会社は 42.3%、「現在、試験利用をしている」会社は 15.7% でした。
- 従業員 1,001 人以上では「導入している」が 78.3%、100 人以下では 16.6% です。
- 中小機構(中小企業基盤整備機構)の調査(2025年11〜12月・中小企業 1,647社)では、AI を導入している会社が 20.4% でした。
- 中小企業白書に載っているアンケート(2025年11〜12月・実施は帝国データバンク)では、2019年以降に省力化のための投資に取り組んだ中小企業 5,645社のうち、AI の活用に取り組んだ会社が 30.3% です。
- 業種でも違います。IPA の調査で「導入している」は、情報通信業が 69.6%、サービス業が 35.0% でした。日本銀行の調査(2026年度・150 先)では、金融機関の 79.3% が生成 AI を利用中です。

次に読む: 会社で AI を使って業務の道具を作る話は、自作で脱 SaaS はできる? 作りやすいものと難しいものにあります。
4. 何に使えるの?
文章の要約と作成、調べもの、アイデア出しが中心です。
- IPA の調査で、AI を導入・試験利用・検討している 1,191社に使い道を聞くと、「文書・音声の要約・翻訳・校正」が 82.5%、「文書・レポートの作成」が 80.5%、「情報検索・収集・分析・レポーティング」が 77.0% でした(複数回答)。
- 「プログラムコードやシステム開発支援」は 47.0% です。情報通信業に限ると 76.3% でした。
- 個人では、「情報の理解」に使ったことがある人が 53.4%、「文書作成や校正」が 38.1%、「翻訳」が 31.4% です(総務省の個人向け調査。「定期的に利用している」と「過去に何度か利用したことはある」の合計)。

次に読む: 頼み方はAI に作業を頼むときのコツ(編集部が試した頼み方)、表の集計を任せた例はcodex exec で作業を自動で実行する(CSV の集計)にあります。
5. 本当に成果が出るの?
使っている会社の 8 割が「効果あり」と答えています。ただ、「期待どおり以上」は 3 割です。効果の中身は、時間の短縮に集まっています。
- IPA の調査で、AI を導入・試験利用している 1,037社のうち、「期待以上の効果があった」は 13.7%、「期待どおりの効果であった」は 18.1%、「一定の効果はあった」は 50.6% でした。合わせて 82.4% です。
- 効果の中身は、「業務が効率化したり迅速化した」が 91.6% です。「売上や利益が向上した」は 3.9% でした(効果があったと答えた 853社・複数回答)。
- 中小企業でも同じ傾向です。中小機構の調査では、AI を導入した会社のうち、効果として「業務効率化/作業時間の短縮」を挙げた会社が 83.2% でした。
- どれも、会社が答えた実感です。何時間減ったかを測った数字ではありません。

次に読む: 料金と使った量を編集部の記録で比べた例は、Claude Code のサブスクと API、どちらが得か 編集部の実測で計算にあります。
6. 危なくないの?
会社の心配の 1 位は、情報の漏えいです。入れる情報を先に決めておくことが、最初の備えになります。
- 総務省の企業向け調査(2026年1〜2月・日本 515社)で、心配なリスクは「社内情報の漏洩などのセキュリティリスクがある」が 46.4%、「出力結果の精度に問題がある」が 35.3%、「著作権等の権利を侵害する可能性がある」が 31.3% でした(複数回答)。
- 備えは、会社の規模で差があります。「全社的な指針やガイドラインを整備している」は、大企業で 44.9%、中小企業で 29.1% です。中小企業の 24.1% は「特に実施している施策はない・把握していない」と答えました。
- 個人では、使ったことがある人の 38.2% が「生成内容が正しいか、他の方法で確認している」と答えています。「特にない」は 24.6% でした。
- 国のガイドラインは、AI を使う側に、個人情報や機密情報を不適切に入力しないよう注意を払うことを求めています。
- 個人情報保護委員会は、事業者に対して、個人情報を含む文を入力するときは、利用目的の範囲内か、AI の会社が機械学習に使わないかを、十分に確認するよう求めています(2023年6月の注意喚起)。

法律や契約にかかわる判断は、会社や場面で変わります。最終の判断は、弁護士などの専門家に相談してください。
次に読む: 連載「機密情報とAI」で、くわしく説明しています。第 1 回はAI に貼った機密は、どこへ行き、どこに残る? 経路と保存期間をたどる、第 2 回は個人情報や機密を AI に貼るのは、本当にダメ? 法律・契約・技術に分けて考える、第 3 回はそれでも機密を AI で扱いたいときの方法 手間の小さい順に 6 つです。
7. いくらかかるの?
主な AI は、無料で始められます。有料のプランは、月 8 ドル・月 725 円からです。
- Claude: Free は 0 ドル、Pro は月 20 ドル、Max は月 100 ドルからです(米ドル・税別)。Pro 以上には Claude Code が含まれます。
- ChatGPT: Free は 0 ドル、Go は月 8 ドル、Plus は月 20 ドル、Pro は月 100 ドルからです(米ドル。OpenAI の公式の料金の案内の表示で、税の記載はありません)。
- Gemini: 無料は 0 円、Google AI Plus は月 725 円、Google AI Pro は月 2,900 円です(円。ページに税の記載はありません)。
- Microsoft Copilot: 無料版があります。Copilot の入った Microsoft 365 Personal は月 2,130 円です(円。ページに税の記載はありません)。
- 総務省の個人向け調査で、生成 AI を使ったことがある人に理由を聞くと、1 位は「利用にかかるお金が無料又は安い」(53.9%)でした(複数回答)。

料金は変わります。申し込む前に、Claude・ChatGPT・Gemini・Microsoft 365 の料金のページで、自分の画面に出る金額を確かめてください。
次に読む: プランのくわしい比べは、Claude Code・Codex・Copilot の違いと選び方と、Claude Code のサブスクと API、どちらが得か 編集部の実測で計算にあります。
8. 使っていない人は、なぜ使わないの?
理由の上位は、不安よりも「必要ない」「使い方がわからない」です。会社では「使う業務が思い浮かばない」がいちばん多くなっています。
- 生成 AI を使ったことがない人に、文章の生成 AI を使わない理由を聞くと、「自分の生活や業務に必要ない」が 42.4%、「使い方がわからない」が 38.8% でした。「情報漏えい、セキュリティ、安全性に不安がある」は 10.4%、「費用が高額である」は 5.0% です(総務省の個人向け調査・複数回答)。
- 「使い方がわからない」は、調査した 4 か国のうち、日本がいちばん高い割合でした。
- 中小企業白書のアンケートで、省力化のための投資には取り組んだが、AI の活用には取り組んでいない 3,888社に理由を聞くと、「活用する業務がイメージできていない」が 63.4%、「活用を推進する人材が不足している」が 40.0% でした(複数回答)。
- 従業員 100 人以下の会社では、「関心はあるがまだ特に予定はない」が 34.6% でした(IPA)。

次に読む: 「使い方がわからない」ときは、画面つきの手順のClaude Code に最初の質問をする(@ でファイルを指定)が参考になります。
9. 何から始めればいい?
文章の仕事を 1 つ選んで試すのが、数字から見た始め方です。
- 総務省の企業向け調査で、効果を感じる割合がいちばん高い業務は「議事録・メール作成補助」(72.3%)でした。2 位の「社内ヘルプデスク」は 42.7%、「経営」は 20.1% です。
- 中小企業白書は、従業員向けの研修会や勉強会に取り組んでいる会社のほうが、AI の活用で効果が得られたと答えた割合が高いとしています。
- 情報通信白書は、中小企業の AI の活用では、トップダウン(経営幹部が、やることや目標を示して進めること)の関与がキーポイントになっていると分析しています。

次に読む: 道具を入れて使い始める手順は、連載「Claude Code 入門」のClaude Code とは? できること・使える場所・料金とClaude Code をインストールする(Mac・Windows・Linux)から読めます。
まとめ
- 生成 AI を使ったことがある人は 58.8% です。会社では、大きい会社ほど進んでいます。
- 使い道の中心は、文章と調べものです。効果は時間の短縮に出ていて、「期待どおり以上」は 31.8% でした。
- 心配の 1 位は情報の漏えいです。入れる情報を先に決めます。
- 主な AI は無料で始められます。文章の仕事を 1 つ選んで、試すところから始められます。
- 調査の数字は、聞いた相手で変わります。数字を見たら、いつ・だれに・どう聞いたかを確かめてください。
参考にした公式の情報
- 総務省「令和8年版 情報通信白書」個人における生成AIサービスの利用経験(日本)
- 総務省「令和8年版 情報通信白書」個人における生成AIサービスの利用経験(米国・ドイツ・中国)
- 総務省「令和8年版 情報通信白書」生成AIサービスを利用する理由
- 総務省「令和8年版 情報通信白書」生成AIサービスを利用しない理由
- 総務省「令和8年版 情報通信白書」年齢階層
- 総務省「令和8年版 情報通信白書」利用頻度
- 総務省「令和8年版 情報通信白書」利用目的(利用シーン)
- 総務省「令和8年版 情報通信白書」リスク意識
- 総務省「令和8年版 情報通信白書」組織的な取組状況
- 総務省「令和8年版 情報通信白書」生成AIの業務利用状況
- 総務省「令和8年版 情報通信白書」懸念されるリスク及びリスク対策のための取組状況
- 総務省「令和8年版 情報通信白書」付注(アンケートの方法)
- IPA(情報処理推進機構)「DX動向2026」(2026年7月30日)
- IPA「DX動向2026」本文
- 中小企業庁「2026年版 中小企業白書」概要
- 中小企業庁「2026年版 中小企業白書」第2部 第2章 第2節 労働投入量の最適化
- 中小企業庁「2026年版 中小企業白書」第2部 第1章(アンケートの方法)
- 中小機構「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査(2026年3月)」ポイント版
- 日本銀行「金融機関における生成AIの利用状況とリスク管理 2026年度アンケート調査結果から」(2026年8月6日)
- 総務省「AI事業者ガイドライン」掲載ページ(第1.2版・2026年3月31日)
- 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」本編
- 個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」(2023年6月2日)
- Claude「Pricing」
- OpenAI「Pricing」(ChatGPT Learn。ChatGPT のプランと Codex の料金)
- Google「Gemini のプラン」
- Microsoft「Microsoft 365 のプランの比較」(個人向け)
執筆者
株式会社Game 代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。
この記事は、Claude Code を使って執筆しました。画面の画像は、検証環境で実際に操作して撮影したものです(引用の画像は出典を記載しています)。内容の誤りはお問い合わせからお知らせください。


