この記事でわかること
- 文章の AI・Claude Code・画像の AI に頼んだ文の全文
- 数字の誤り・字のはみ出し・後から直せるかを数えた結果
- AI に任せられる所と、人が確かめて直す所
確認した環境: Claude Code 2.1.308(Opus 5.5)・python-pptx 1.0.2・LibreOffice 25.2.3.2 / YOBITSUGI AI で Claude Opus 5.5・GPT-6 Astra・Gemini 3.1 Pro・GPT-Image-2.5 Sunburst・Nano Banana Pro を実行 / 2026年10月24日に確認
来週の経営会議に、展示会への出展の提案を 8 ページで出したい。AI に任せたら、どこまでできて、どこを自分で直すことになるのでしょうか。編集部は同じお題を、文章の AI・Claude Code・画像の AI の 3 つのやり方で作り、かかった時間・直した回数・字のはみ出し・数字の誤り・後から PowerPoint で直せるかを数えました。



なぜ、3 つのやり方で比べたのか
「AI で資料を作る」と言っても、頼み方は大きく 3 つあります。原稿を文章でもらって自分で貼る、ファイルそのものを作らせる、ページを絵として描かせる、の 3 つです。どれを選ぶかで、自分に残る仕事が変わります。
提案資料で困るのは、数字や名前の取り違えと、あとで「この数字だけ直して」と言われたときに直せないことです。この 2 つを中心に、同じお題で数えました。
お題と、数えることを先に決めた


お題は、架空の木工の会社が経営会議に出す「来期の展示会への出展の提案」8 ページです。数字と名前は、ファクトシート(使う事実を並べた紙)として AI に渡しました。会社と展示会の名前は、検索して同じ名前が無いことを確かめました。
- 日付と回数: 2026年10月24日に、どのやり方も 1 回ずつ作りました。
- ① 文章の AI: Claude Opus 5.5・GPT-6 Astra・Gemini 3.1 Pro(プレビュー版)の 3 つです。返ってきた原稿は、人が貼る代わりに、編集部がプログラムで型に流し込みました(人が貼る時間は計っていません)。型は 16:9 で、左に本文(20pt)、右に図の場所を置きました。字を自動で小さくする設定は使っていません。
- ② Claude Code: Claude Code 2.1.308(Opus 5.5)に、python-pptx(Python で PowerPoint のファイルを作る、無料のライブラリ)を使って作らせました。
- ③ 画像の AI: GPT-Image-2.5 Sunburst と Nano Banana Pro に、2 ページ分を描かせました。
- 画像にする方法: pptx は LibreOffice(無料のオフィスソフト)で画像にして、はみ出しを数えました。PowerPoint では開いていません。
① 文章の AI に、構成と原稿を書かせる
頼んだ文(全文)
3 つのモデルに、次の文を一字一句同じに渡しました。
社内向けの提案資料(スライド 8 ページ)の原稿を作ってください。
お題: 来期の展示会への出展の提案(経営会議に出す社内の資料)
会社・展示会・人・数字は、すべて練習用の架空のものです。
使う事実(数字と名前は、この中のものだけを使ってください):
- 会社: みなもと木工株式会社 営業企画部(提案者: 佐野)
- 展示会: 木の道具ビジネス見本市 2027(会期 2027年6月9日(水)〜11日(金)の 3 日間)
- 主催者の見込みの来場者: 32,000 人
- 前回(2026年)の出展の成果: 名刺の交換 410 枚・商談 58 件・受注 9 件(受注額 1,260 万円)
- 来期の目標: 名刺の交換 500 枚・商談 70 件・受注 12 件(受注額 1,800 万円)
- 出す商品: 踏み台 FM-210(新商品)・折りたたみ机 TD-90
- 費用: ブース(2 小間)132 万円・装飾と施工 95 万円・見本と配布物 28 万円・人件費と交通費 45 万円(合計 300 万円)
- 人員: 3 日間で のべ 12 人(1 日 4 人)
- 予定: 申し込みの締め切り 2027年1月29日・装飾の確定 2027年5月・出展 2027年6月・振り返りの報告 2027年7月
- 決めてほしいこと: 出展の承認と、予算 300 万円(2026年11月の経営会議で)
書いてほしいもの(ページごとに、この順で):
1. ページの題(20 字まで)
2. 本文の箇条書き 3〜5 行(1 行 30 字まで)
3. 図や表の案(何をどう見せるか、1〜2 文)
4. 話すときのメモ(2 文まで)
頼み方で気をつけたのは 3 つです。数字と名前はファクトシートで渡し、「この中のものだけを使って」と書きました。題と 1 行の字数に上限を付けました。ページごとに書く項目と、その順番を決めました。
数字の取り違えは 0。残る仕事は図


- 3 つとも 8 ページで、題 20 字・箇条 3〜5 行・1 行 30 字・メモ 2 文の指示を全部守りました。
- 渡していない数字は 0、数字と名前の取り違えも 0 でした。会期の曜日(水・金)も合っています。
- 型に流し込むと、どのページも字は枠に収まりました。本文の字は、どのページも枠の上から 4 割ほどまでで終わっています。
- Claude Opus 5.5 の原稿は、40 行のうち 18 行で、数字の前後に半角の空きがありました(「受注 12 件」など。渡したファクトシートと同じ書き方です)。スライドでは空きが広く見えるので、貼ったあとで詰めます。
残る仕事は、図です。AI が書いたのは「図の案」だけで、8 ページの図や表は人が作ります。貼る所も、題・本文・メモで 24 か所ありました。
違いが出たのは、足された中身


数字は合っていても、読み方はモデルごとに違いました。費用 300 万円と受注額の目標 1,800 万円について、Gemini 3.1 Pro は「十分に見合う内容です」と書きました。受注額は売り上げの額で、利益ではありません。GPT-6 Astra は、そのことを注意として書いています。
渡していない目的ややり方を、箇条に足すこともありました。編集部の見立てで数えると、スライドに載る箇条のうち、Claude Opus 5.5 が 5 行、GPT-6 Astra が 6 行です。「実物に触れて試せる展示にする」「接客・商談・記録の役割を分担」などです。
Gemini 3.1 Pro は、箇条には渡した事実だけを書きました。その代わり、話すときのメモに「集客力の高い展示会です」などの評価を書いています。まだ決めていない計画や評価なら、出す前に消すか直します。
3 つのモデルの答え(費用のページ・原文)
Claude Opus 5.5(6 ページ目)
題: 費用(合計 300 万円)
・ブース(2 小間):132 万円
・装飾と施工:95 万円
・見本と配布物:28 万円
・人件費と交通費:45 万円
メモ: 費用は合計 300 万円で、いちばん大きいのはブースの 132 万円です。受注額の目標 1,800 万円と比べて、ご判断ください。
GPT-6 Astra(5 ページ目)
題: 出展費用の内訳
・ブース(2小間):132万円
・装飾と施工:95万円
・見本と配布物:28万円
・人件費と交通費:45万円
・合計:300万円
メモ: 出展に必要な予算は合計300万円です。受注額は利益ではないため、目標受注額との比較だけで採算を判断しないよう留意します。
Gemini 3.1 Pro(7 ページ目)
題: 費用(合計300万円)
・ブース(2小間):132万円
・装飾と施工:95万円
・見本と配布物:28万円
・人件費と交通費:45万円
メモ: 費用はブース2小間で132万円など、合計で300万円となります。目標とする受注額1,800万円に対して十分に見合う内容です。
編集部が「足した」と数えた箇条(原文)
数えたのは、ファクトシートに無い目的・やり方を書いた箇条です。前回の成果の読み方(Claude Opus 5.5 の「名刺の交換から商談・受注へとつながった」)や、予定から読み取れる「承認後に申し込む」という行は数えていません。
Claude Opus 5.5(5 行): 「新商品の踏み台 FM-210 を広く知ってもらう」(1 ページ目)、「木の道具に関心のある来場者と直接会える」(2 ページ目)、「踏み台 FM-210(新商品)を前面に出す」「実物に触れて試せる展示にする」「見本と配布物で商談につなげる」(5 ページ目)
GPT-6 Astra(6 行): 「新商品紹介と受注獲得を目指す」(1 ページ目)、「商品紹介を通じて商談機会をつくる」(2 ページ目)、「新商品の紹介を展示の軸にする」「両商品の説明から商談につなげる」(4 ページ目)、「接客・商談・記録の役割を分担」「商談内容を記録し、出展後に対応」(6 ページ目)
Gemini 3.1 Pro(0 行): 箇条は、渡した事実だけでした。
② Claude Code に、.pptx を作らせる
頼んだ文
「お題」と「使う事実」は ① と同じなので、省いています。
次の内容で、社内向けの提案資料(16:9・8 ページ)を PowerPoint のファイル(.pptx)で作ってください。python-pptx を使います。
(ここに ① と同じ「お題」と「使う事実」を入れる)
作り方の決まり:
- 字は全部、PowerPoint で直せる文字にする(字を画像にしない)。
- 表は PowerPoint の表、グラフは PowerPoint のグラフにする(あとから数字を直せるように)。
- フォントは BIZ UDPゴシック。本文は 18pt 以上。
- 1 ページの本文は 5 行まで、1 行 30 字まで。題は 20 字まで。
- 各ページに、話すときのメモ(ノート)を 2 文まで入れる。
- できたら LibreOffice で画像にして、字のはみ出しと重なりを自分で確かめ、直す。
「字を画像にしない」「表とグラフは PowerPoint の部品で」と書いたのは、あとから直せるようにするためです。Markdown からスライドを作る Marp という道具もあります。Marp CLI の説明(README)によると、ふつうの pptx の書き出しは、描いておいた背景の画像でできていて、PowerPoint で中身を直せません。直せる形の書き出しは試験段階で、ブラウザと LibreOffice が要ります。そこで今回は python-pptx を指定しました。
2 分で 8 ページ。直しは 2 回


- Claude Code は 174 行のスクリプトで 8 ページを作り、LibreOffice で画像にして自分で見直しました。
- 1 回目の見直しで、直す所を 2 つ見つけました。数字の前後の空きが広く見える所と、グラフに頼んでいない題が付いた所です。頼んでから、直して画像にし直すまで、記録の上で 2 分でした。python-pptx と LibreOffice を用意する時間は、ここに入っていません。
- 3 つ目は、仕上げたあとで見つかりました。PDF に入ったフォントを調べると、グラフの字 31 字だけが、指定した BIZ UDPゴシック ではなく中国語向けのフォントで描かれていました。グラフの字には、和文のフォントを指定していなかったためです。画像を見るだけでは気づきませんでした。
- 数字と名前の取り違えは 0、字のはみ出しと重なりも 0 でした。


できたファイルの中身を、python-pptx で読み直して数えました。文字の枠が 45 個(571 字)、表が 3 つ(239 字)、グラフが 1 つ(値 4 つ)で、画像は 0 枚です。表の数字もグラフの値も、PowerPoint の部品として入っています(PowerPoint で開いて直すところまでは試していません)。
ただし ② も、5 ページの「来場者に乗って試してもらう」など、ファクトシートに無い見せ方を足していました。① と同じく、人が確かめる所です。
③ 画像の AI に、1 ページを描かせる
頼んだ文(グラフのページ)
社内向けの提案資料の 1 ページを、横長のスライドの画像として作ってください。白い背景に、濃い緑を差し色にした、落ち着いたビジネス向けのデザインにします。
次の文字を、一字一句このとおりに入れてください。ほかの文字・ロゴ・透かし・アイコンの中の字は入れないでください。
左上の題: 「出展の費用は合計 300 万円」
中央に横棒グラフ(上から順に。棒の長さは金額に比例させる。棒の右に金額):
- ブース(2 小間) 132 万円
- 装飾と施工 95 万円
- 人件費と交通費 45 万円
- 見本と配布物 28 万円
左下: 「※数字はすべて架空です」
右下: 「みなもと木工株式会社 営業企画部」
表のページも同じ書き出しで、題と表の字を指定しました。
字は全部正しい。でも、直せない


- 指定した字は、表のページ 105 字とグラフのページ 82 字の、合わせて 187 字です。2 つのモデルとも 187 字すべてを正しく描き、頼んでいない字もありませんでした。
- 1 ページが返るまで 12.6〜23.9 秒でした。クレジットは、GPT-Image-2.5 Sunburst が 1 ページ 2.0、Nano Banana Pro が 24.5 と 25.6 です。
- 画像の形は横 3:縦 2 に近く、16:9 のスライドに貼ると、左右に余白が出るか、上下が切れます。


グラフの棒は、画素で長さを測りました。GPT-Image-2.5 Sunburst の 4 本は、金額の比との差が 0.2% 以内でした。Nano Banana Pro は短い棒ほど長く描かれ、28 万円の棒は比どおりの長さより 15.6% 長くなっていました。字の数字は正しいのに、棒の長さが合わないことがあります。
画像の字を 1 字直すには、作り直すか、画像を加工することになります。作り直すと、ほかの所も変わります。画像生成 AI の日本語の字は、日本語の文字が崩れない画像生成 AI はどれ? 同じ看板を 5 つのモデルに描かせて比べたでも比べています。
違いはなぜ出たのか
確かめたことから書きます。① と ② の字は、PowerPoint の文字として入っています。③ の字は、絵の画素です。② のグラフは、金額のデータから PowerPoint の部品として描かれるので、棒の長さは比のとおりでした(差 0.2% 以内)。
ここからは編集部の推測です。画像の AI は、数字から棒の長さを計算して描いているわけではないと考えられます。そのため、字が正しくても棒がずれることがあると見ています。① で数字の取り違えが 0 だったのは、ファクトシートで渡し「この中のものだけ」と書いたことが効いた可能性があります。この書き方をしなかった場合は、試していません。
足された中身は、提案資料の型を AI が埋めようとした結果だと考えられます。目的・やり方・評価は、提案資料にふつう入る項目だからです。
仕事で使うなら、組み合わせる


今回の結果からは、次の組み合わせが考えられます。
- 数字と名前を、ファクトシートにまとめる(人)
- 文章の AI に、構成と原稿を書かせる(① の頼み方)
- Claude Code を使っている方は、python-pptx で .pptx にさせる。使っていない方は、会社の型に原稿を貼る
- 表紙などの挿絵だけ、画像の AI に字のない絵を頼む
- 数字・名前・足された中身・フォントを、人が確かめる
週報や社内の提案など数字の多い資料ほど、② の形が役に立ちます。数字が変わっても、表とグラフのデータを直せば済むからです。字のない絵に字を重ねる方法は、サムネイルとバナーを AI 5 つに作らせた 文字入りはどこまで使える?でも試しています。Claude Code への頼み方は、AI に作業を頼むときのコツ(編集部が試した頼み方)にもまとめています。
出す前に、人が確かめる


- 数字と名前・足された中身: 元の資料と 1 つずつ照らします。今回の取り違えは 0 でしたが、1 回ずつの結果です。
- フォント: 指定したフォントで描かれているかは、画像を見るだけでは分かりませんでした。相手のパソコンに無いフォントは、別のフォントで表示されます。Microsoft のサポートのページは、PowerPoint の「ファイルにフォントを埋め込む」設定を案内しています。
- 社外秘: 本物の数字や取引先の名前を AI に入れる前に、会社の決まりを確かめます。扱い方は、それでも機密を AI で扱いたいときの方法 手間の小さい順に 6 つにあります。
気をつけること
- どのやり方も 1 回ずつの結果です。同じ文でも、毎回同じ答えになるとは限りません。
- ① と ② の画像は、LibreOffice で描いたものです。PowerPoint では開いて確かめていないので、改行の位置などは違うかもしれません。
- ③ の挿絵は、AI が描いた架空の家具です。実物の商品を見せる資料では、写真に替えます。
次にやること
次の資料では、まず数字と名前をファクトシートに書き出し、① の頼み方の「使う事実」に入れます。
今日やる 1 つは、次の資料に載せる数字と名前を、箇条書きで書き出すことです。
次の回のAI 作曲で BGM と歌を作る 長さと歌詞を測り、商用利用と著作権を確かめたでは、お店の BGM や歌を AI で作り、頼んだ長さと歌詞のとおりになるかを測ります。
参考にした公式の情報
- python-pptx ドキュメント
- PyPI「python-pptx」(1.0.2)
- LibreOffice 公式サイト
- Marp CLI(GitHub の README)
- Microsoft サポート「カスタム フォントを埋め込む利点」
- BIZ UD Gothic(Google Fonts の GitHub)
- Claude Code ドキュメント「Overview」
- Claude API ドキュメント「Models overview」
- OpenAI API ドキュメント「GPT-6 Astra」
- Google AI for Developers「Gemini 3.1 Pro preview」
- OpenAI API ドキュメント「GPT Image 2.5 Sunburst」
- Google AI for Developers「Nano Banana image generation」
- YOBITSUGI AI「料金」

執筆者
株式会社Game 代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。
この記事は、Claude Code を使って執筆しました。画面の画像は、検証環境で実際に操作して撮影したものです(引用の画像は出典を記載しています)。内容の誤りはお問い合わせからお知らせください。
