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連載・作ってみたAIで作る

#10/ 全10回

AI で LINE スタンプは作れる? 8 個作ると、透過で字が読みにくくなった

佐々木 航@w_sasakiwith Claude Code読了 約20分

この記事でわかること

  • 3 通りの作り方で、字・透過・費用がどう違ったか
  • 透過で字の白いフチが消えた原因と、直した仕上げ方
  • 利用規約の AI の条文と、審査ガイドラインの関わる項目

確認した環境: YOBITSUGI AI(画像生成 GPT-Image-2.5 Sunburst)・仕上げは Python 3.14 と Pillow 13.0 / 2026年10月26日に作成・LINE Creators Market のページは 2026年10月26日に確認

AI に描かせた 18 個のスタンプの字に、誤字は 0 件でした。それでも、暗い背景に置いたとたん「おはよう」の字が沈みました。AI が字に付けた白いフチが、背景を透明にする処理と一緒に消えていたのです。

AI で作ったハリネズミのキャラクター「ぽこ」の LINE スタンプ 6 個。おはよう・ありがとう・了解です!・お疲れさま・ごめんね・おやすみ の字が入っている
この回の扉作図: 編集部

AI で LINE スタンプは作れます。編集部は架空のハリネズミ「ぽこ」で 8 個を作り、LINE Creators Market の規格に合わせて仕上げました。1 個 370×320 ピクセル以内の PNG で、背景は透過です。作業の記録では、設定画を頼んでから仕上げまで、作り方を比べた試作を含めて 18 分でした。YOBITSUGI AI のクレジットは、完成品の分が 38.9 です。手こずったのは顔をそろえることではなく、透過・ポーズ・縮めたときの字でした。LINE には申請していないので、審査に通るかどうかは分かりません。

ハリネズミのキャラクター「ぽこ」のスタンプ 8 個。おはよう・ありがとう・了解です!・お疲れさま・ごめんね・よろしくね・えっ!?・おやすみ。明るい背景と暗い背景のどちらでも、白いフチの付いた茶色の字が読める。下に、スタンプ画像 8 個は 240〜356×320 ピクセルの PNG で 1 個 77〜92KB、メイン画像 240×240 とタブ画像 96×74、設定画から仕上げまで試作を含めて 18 分、クレジットは完成品の 9 枚で 38.9(作り直しと試作を含めると 117.4)ハリネズミのキャラクター「ぽこ」のスタンプ 8 個。おはよう・ありがとう・了解です!・お疲れさま・ごめんね・よろしくね・えっ!?・おやすみ。明るい背景と暗い背景のどちらでも、白いフチの付いた茶色の字が読める。下に、スタンプ画像 8 個は 240〜356×320 ピクセルの PNG で 1 個 77〜92KB、メイン画像 240×240 とタブ画像 96×74、設定画から仕上げまで試作を含めて 18 分、クレジットは完成品の 9 枚で 38.9(作り直しと試作を含めると 117.4)
完成した 8 個。下は暗い背景に置いたところ(絵は画像生成 AI の出力。字は編集部が入れた)撮影・作図: 編集部

1 体のキャラクターで 8 個、作り方を 3 通り試した

編集部が知りたかったのは、作り方の手順より手前のことです。AI の絵を規格どおりのスタンプに仕上げるまでに、どこで崩れるのか。そこで実際に 8 個を作り、途中で起きたことと、クレジットの額を記録しました。

キャラクターは、この記事のために決めた架空のハリネズミの女の子「ぽこ」です。目印は首のミントグリーンのスカーフで、線はこげ茶の太い線、色はベタ塗りにしました。最初に設定画(正面・横・後ろ姿と表情を 1 枚にまとめた絵)を AI に描かせ、そのあとは毎回この設定画を一緒に渡しています。

言葉は、日常のやりとりで使う 8 つにしました。おはよう・ありがとう・了解です!・お疲れさま・ごめんね・よろしくね・えっ!?・おやすみ です。縮めたときのつぶれ方を見るため、画数の多い「解」と「疲」を入れています。

モデルは GPT-Image-2.5 Sunburst です。看板の字を比べた記事で日本語の 118 字をすべて正しく描き、同じ顔を保つ方法を比べた記事でも、参照の画像を渡した 8 場面すべてで顔の近さが「同じ人」の目安を超えたモデルです。プロンプト(AI に描いてほしいことを書いた文章)には「LINE」と書かず、「メッセージアプリのスタンプ」と書きました。サービスの名前から、そのロゴを描かれるのを避けるためです。

作り方は次の 3 通りです。どれも白い背景で描かせ、同じ処理で背景を透明にして、370×320 ピクセル以内に縮めました。

  • A 1 枚に 8 個: 1 枚の画像に 4 列 × 2 段で 8 個を字ごと描かせ、切り分ける
  • B 1 個ずつ・字も AI: 1 個ずつ、白いフチの付いた字まで描かせる
  • C 1 個ずつ・字はあとから: 字のない絵を 1 個ずつ描かせ、字は手元で入れる(完成品はこの作り方)
4 つの段の流れ。① AI が設定画を 1 枚描く(正面・横・後ろと表情 4 つ、18.7 秒・2.0 クレジット)。② AI が設定画を見ながら字のない絵を 1 個ずつ描く(白い背景、1 枚 4.6 クレジット)。③ 手元で、外側からつながった白だけを透明にし、ふちの色を分け直す。④ 手元で、白いフチの太字を入れ、370×320 以内・偶数・余白 10px にそろえる(1 個 6 秒ほど)。下に、人が決めた・確かめたこととして、キャラクターの目印と 8 個の言葉・ポーズ、作り直すかどうか、字の形と暗い背景での見え方、既存のキャラクターに似ていないかと規約4 つの段の流れ。① AI が設定画を 1 枚描く(正面・横・後ろと表情 4 つ、18.7 秒・2.0 クレジット)。② AI が設定画を見ながら字のない絵を 1 個ずつ描く(白い背景、1 枚 4.6 クレジット)。③ 手元で、外側からつながった白だけを透明にし、ふちの色を分け直す。④ 手元で、白いフチの太字を入れ、370×320 以内・偶数・余白 10px にそろえる(1 個 6 秒ほど)。下に、人が決めた・確かめたこととして、キャラクターの目印と 8 個の言葉・ポーズ、作り直すかどうか、字の形と暗い背景での見え方、既存のキャラクターに似ていないかと規約
完成品(C)の作り方。絵は AI、透過と字と大きさは手元の処理で、言葉・ポーズ・確認は人が受け持った撮影・作図: 編集部
AI に渡したプロンプト(全文)

設定画(1536×1024)

PROMPT
メッセージアプリのスタンプに使う、オリジナルのキャラクターの設定画を 1 枚描いてください。

キャラクター: 架空のハリネズミの女の子「ぽこ」
・丸い 2 頭身。背中のトゲはこげ茶色で、短く丸い形
・顔とおなかはクリーム色
・目は小さな黒い点、ほおはうすいピンクの丸、鼻は小さなこげ茶の丸
・首にミントグリーンのスカーフを巻いている(いちばんの目印)
・手足は短い
・線はこげ茶色の太い線。色はベタ塗りで、グラデーションや影は付けない

配置: 左に全身の正面・横向き・後ろ姿の 3 つ、右に表情 4 つ(笑顔・驚き・困り顔・眠い顔)
背景は真っ白の無地。文字・ロゴ・サインは入れない。既存のキャラクターや企業のマスコットに似せない。

A 1 枚に 8 個(1536×1024・設定画を添付)

PROMPT
添付の設定画と同じキャラクター「ぽこ」で、メッセージアプリのスタンプを 8 個、1 枚の画像に並べて描いてください。

・横 4 列 × 縦 2 段に、同じ大きさのマスで並べる。マスの境目に線は引かない。8 個どうしは重ならないように離す
・顔・トゲの色・ミントグリーンのスカーフ・線の太さ・塗り方は、設定画のとおりにする
・それぞれに、下の言葉を大きく太い丸文字で 1 行入れる。文字は濃い茶色。言葉のほかに字を入れない
1「おはよう」 両手を上げて、のびをする
2「ありがとう」 ぺこりとおじぎをする
3「了解です!」 片手で敬礼する
4「お疲れさま」 湯気の立つお茶を両手で差し出す
5「ごめんね」 両手を顔の前で合わせて謝る
6「よろしくね」 にっこり笑って、片手を振る
7「えっ!?」 目を丸くして、おどろく
8「おやすみ」 目を閉じて、枕を抱える

背景は真っ白の無地。影や床は描かない。

B 1 個ずつ・字も AI(1024×1024・設定画を添付)。「ポーズ」と「」の中の言葉を、A の 1〜8 に入れ替えて 8 回頼みました。

PROMPT
添付の設定画と同じキャラクター「ぽこ」で、メッセージアプリのスタンプを 1 個描いてください。

・顔・トゲの色・ミントグリーンのスカーフ・線の太さ・塗り方は、設定画のとおりにする
・ポーズ: 両手を上げて、のびをする
・キャラクターの上に「おはよう」の文字を、大きく太い丸文字で 1 行入れる。文字は濃い茶色で、白いフチを付ける。この言葉のほかに字を入れない
・キャラクターと文字をまとめて画面の中央に大きく置き、周りに少し余白を空ける
・背景は真っ白の無地。影や床は描かない

C 1 個ずつ・字はあとから(1024×1024・設定画を添付)。「ポーズ」を A の 1〜8 に入れ替えて 8 回頼みました。

PROMPT
添付の設定画と同じキャラクター「ぽこ」で、メッセージアプリのスタンプの絵を 1 個描いてください。文字はあとから入れるので、絵には字を入れません。

・顔・トゲの色・ミントグリーンのスカーフ・線の太さ・塗り方は、設定画のとおりにする
・ポーズ: 両手を上げて、のびをする
・キャラクターは画面の下の 3 分の 2 に大きく置き、上の 3 分の 1 は文字を入れるために空けておく
・背景は真っ白の無地。影や床は描かない
・文字(Z などのアルファベットも)・ロゴは入れない。汗や湯気などの小さな絵の記号はよい

「了解です!」の作り直し。C のプロンプトの「ポーズ」の行だけを、次のように替えました。採用したのは 4 回目です。

PROMPT
2 回目: ・ポーズ: 敬礼。右手をまっすぐ上げて、指先をそろえ、右のまゆの横に当てる。左手は体の横に下ろす。頭をかいているようには見せない
3 回目: ・ポーズ: 両腕を頭の上に上げて、腕で大きな丸(OK のしるし)を作る。にっこり笑う
4 回目: ・ポーズ: 授業で「はい!」と返事をするように、右手を真上にまっすぐ挙げる。左手は体の横に下ろし、口を開けて元気に笑う

比較のための試作

  • 透過も AI に頼んだ 4 個: B の「おはよう」「お疲れさま」と、C の「おはよう」「おやすみ」の背景の行を「・背景は透明にする。影や床は描かない」に替え、透過の設定(background: transparent)を付けました。
  • 設定画を渡さない 2 個: C の「おはよう」「おやすみ」の 1 行目を「メッセージアプリのスタンプの絵を 1 個描いてください。文字はあとから入れるので、絵には字を入れません。」に替え、設定画のプロンプトの「キャラクター:」から「影は付けない」までの 7 行を足しました。最後の行には「既存のキャラクターや企業のマスコットに似せない」を足しています。

意外だったこと: 顔も字も、AI はほとんど外さなかった

始める前にいちばん心配していたのは、8 個で顔が変わることでした。設定画を渡した絵では、顔・トゲの色・スカーフ・線の太さが 8 個ともそろいました。設定画を渡さずに文だけで頼んだ 2 個は、線が細くなり、トゲがギザギザにとがっています。設定画を添えると 1 枚 2.6 から 4.6 クレジットに上がりますが、約 2 クレジットの差で絵柄がそろいます。

字も外しませんでした。A の 8 個、B の 8 個、透過も AI に頼んだ 2 個の、計 18 個の字を 1 字ずつ拡大して読むと、誤字は 1 つもありません。「解」「疲」も正しい形でした。頼んでいない字が出たのは、設定画で眠い顔の横に描かれた「Z」だけです。そこで、絵を頼むプロンプトに「Z などのアルファベットも入れない」と書き足しました。

そろわなかったのは、字のフチの付け方です。B の 8 個では、白いフチの外側の線が、濃い茶色・ベージュ・ごく薄い灰色の 3 種類に分かれました。2 個には、フチの中に小さな線が紛れています。この違いが、次の失敗につながりました。

3 つの「お疲れさま」のスタンプを暗い背景に置いた画像と、比べの表。A 1 枚に 8 個は字が背景に沈み、B 1 個ずつ・字も AI は字のフチがかすれ、C 字はあとからは白いフチではっきり読める。表は、1 個あたりのクレジットが A 0.5(1 枚 4.2)・B 4.6・C 4.6、字の誤りは A と B が 8 個とも無し・C は打ち込んだ字のまま、頼んでいない線は B だけ 2 個、字の白いフチは A が無し(頼み忘れた)・B は外側の線が 3 種類・C は 8 個とも同じ、暗い背景で字が読めたのは A 0 / 8・B 5 / 8・C 8 / 8、首のスカーフの帯は A 4 / 8・B と C は 8 / 8。下に、B と同じ頼み方で背景の透過も AI に頼んだ 2 個は白いフチが残った、とある3 つの「お疲れさま」のスタンプを暗い背景に置いた画像と、比べの表。A 1 枚に 8 個は字が背景に沈み、B 1 個ずつ・字も AI は字のフチがかすれ、C 字はあとからは白いフチではっきり読める。表は、1 個あたりのクレジットが A 0.5(1 枚 4.2)・B 4.6・C 4.6、字の誤りは A と B が 8 個とも無し・C は打ち込んだ字のまま、頼んでいない線は B だけ 2 個、字の白いフチは A が無し(頼み忘れた)・B は外側の線が 3 種類・C は 8 個とも同じ、暗い背景で字が読めたのは A 0 / 8・B 5 / 8・C 8 / 8、首のスカーフの帯は A 4 / 8・B と C は 8 / 8。下に、B と同じ頼み方で背景の透過も AI に頼んだ 2 個は白いフチが残った、とある
3 通りの作り方の比較。どれも同じ処理で背景を抜き、暗い背景に置いた(絵は画像生成 AI の出力)撮影・作図: 編集部

失敗 1: 背景を透明にしたら、字の白いフチまで消えた

LINE の制作ガイドラインには「イラストなどの背景は透過にしてください。」とあります。AI には白い背景で描かせ、手元で白を透明にしました。

最初に試した「白い画素をすべて透明にする」方法では、白い枕が黒い穴になりました。おなかのクリーム色も、白に近いところがまだらに抜けています。次に、画像の外側からつながった白だけを透明にしました。キャラクターの太い線が壁になり、枕もおなかも残ります。

ところが今度は、B の 8 個のうち 3 個で、字の白いフチが背景と一緒に消えました。フチの外側の線が薄く、白いフチが背景の白とつながっていたためです。残った 5 個は、フチの外側に濃い茶色かベージュの線が引かれていました。白い壁の前に立つ白いシャツの人を切り抜くと、シャツまで消えるのと同じです。A はそもそも白いフチを頼み忘れていたので、暗い背景では 8 個とも字が沈みました。

4 つの画像。① 白をすべて透明にすると、白い枕が黒い穴になった。② 外側からつながった白だけを透明にすると、枕は残るが、「おはよう」の字の白いフチが背景ごと消えた(8 個中 3 個)。③ 線のふちを拡大した 2 枚。左は ② のままで白くにじみ、右は分け直して消えた。④ 背景を抜いたあとに字を入れた完成品は、白いフチの「おはよう」がはっきり読める。下に、GPT-Image-2.5 Sunburst に背景の透過を頼んだ 4 個は字のフチも枕も残り、クレジットは 1 枚 4.6 のまま、白い背景で作って手元で抜く方法はどの画像 AI の絵にも使える、とある4 つの画像。① 白をすべて透明にすると、白い枕が黒い穴になった。② 外側からつながった白だけを透明にすると、枕は残るが、「おはよう」の字の白いフチが背景ごと消えた(8 個中 3 個)。③ 線のふちを拡大した 2 枚。左は ② のままで白くにじみ、右は分け直して消えた。④ 背景を抜いたあとに字を入れた完成品は、白いフチの「おはよう」がはっきり読める。下に、GPT-Image-2.5 Sunburst に背景の透過を頼んだ 4 個は字のフチも枕も残り、クレジットは 1 枚 4.6 のまま、白い背景で作って手元で抜く方法はどの画像 AI の絵にも使える、とある
白い背景の絵を、手元で 3 通りに抜いた結果と完成品。どれも暗い背景に置いた(絵は画像生成 AI の出力)撮影・作図: 編集部

直し方は 2 つ見つかりました。1 つは、背景を抜いたあとで字を入れることです(C)。手元で入れる字には必ず白いフチを付けられるので、8 個とも暗い背景で読めました。もう 1 つは、背景の透過も AI に頼むことです。GPT-Image-2.5 Sunburst に透過を頼んだ 4 個(字の入った 2 個を含む)は、字のフチも枕も残り、クレジットは 1 枚 4.6 のままでした。OpenAI の画像生成のドキュメントにも、背景を透過にする設定(background)が載っています。

もう 1 つ、見落としやすいところがありました。抜いた絵を暗い背景に置くと、線のふちに白いにじみが残ります。白い背景の上で描かれた線のふちの画素は、線の色と白が混ざった色をしているからです。手元の処理では、ふちの 2 画素を「奥の色と白の混ざり」とみなして色と透明度を分け直し、にじみを消しました。

失敗 2: 「敬礼」を頼んでも、手が頭の横で止まった

「了解です!」には敬礼のポーズを頼みました。1 回目の絵は、頭に手を当てた形です。手の位置を細かく書き直した 2 回目も、腕で大きな丸を作るよう頼んだ 3 回目も、手は頭の横で止まりました。A でも B でも、敬礼は同じ形になっています。

上の段は 4 枚。設定画を渡した「おはよう」と「おやすみ」の絵は、線の太さもトゲの丸みも設定画のまま(1 枚 4.6 クレジット)。渡さない絵は、線が細く顔のパーツが小さくなり、トゲが丸ではなくギザギザにとがった(1 枚 2.6 クレジット)。下の段は 4 枚。1 回目の「片手で敬礼」は頭に手を当てた形、2 回目の手の位置まで細かく書いた絵もやはり頭の横、3 回目の「腕で大きな丸」は手が耳の横で止まった。4 回目の「手を挙げて返事」は片手を挙げた形で、これを採用した上の段は 4 枚。設定画を渡した「おはよう」と「おやすみ」の絵は、線の太さもトゲの丸みも設定画のまま(1 枚 4.6 クレジット)。渡さない絵は、線が細く顔のパーツが小さくなり、トゲが丸ではなくギザギザにとがった(1 枚 2.6 クレジット)。下の段は 4 枚。1 回目の「片手で敬礼」は頭に手を当てた形、2 回目の手の位置まで細かく書いた絵もやはり頭の横、3 回目の「腕で大きな丸」は手が耳の横で止まった。4 回目の「手を挙げて返事」は片手を挙げた形で、これを採用した
上は設定画を渡した絵と、文だけで頼んだ絵。下は「了解です!」のポーズの作り直し(絵は画像生成 AI の出力)撮影・作図: 編集部

ぽこは 2 頭身で、腕が短く描かれています。この体では、頭より上に手が届く絵になりにくいと編集部はみています。4 回目は「授業で『はい!』と返事をするように手を挙げる」に変え、これを採用しました。

ここは人が決めるところです。言葉に合うポーズを、そのキャラクターに描ける形の中から選び直します。使わなかった 3 枚には 13.9 クレジットかかりました。手を挙げる形は 6 個目の「よろしくね」と少し似ているので、8 個を並べて見比べたうえで、使うことにしました。

失敗 3: タブ画像の大きさまで縮めると、「解」「疲」がつぶれかけた

スタンプ画像は最大 370×320 ピクセル、トークルームタブ画像(スタンプを選ぶ画面のタブに出る画像)は 96×74 ピクセルです。トーク画面に何ピクセルで出るかは、今回読んだ公式のページには書かれていませんでした。そこで、完成した 8 個を半分の大きさと、タブ画像に収まる大きさに縮めて確かめました。

3 段の画像。半分の大きさでは、字の高さ 28〜30 ピクセルで 8 個とも読める。タブ画像の大きさでは字の高さ 12〜14 ピクセルで、ひらがなは読めるが「解」「疲」は線が混み合う。暗い背景のタブ画像の大きさでは、白いフチで字は見えるが、漢字はさらに読みにくい。下に、ひらがなだけの 6 個はタブ画像の大きさでも読めた、「解」「疲」はつぶれかけ、茶色の小さな動きの線も暗い背景では見えにくい、とある3 段の画像。半分の大きさでは、字の高さ 28〜30 ピクセルで 8 個とも読める。タブ画像の大きさでは字の高さ 12〜14 ピクセルで、ひらがなは読めるが「解」「疲」は線が混み合う。暗い背景のタブ画像の大きさでは、白いフチで字は見えるが、漢字はさらに読みにくい。下に、ひらがなだけの 6 個はタブ画像の大きさでも読めた、「解」「疲」はつぶれかけ、茶色の小さな動きの線も暗い背景では見えにくい、とある
完成した 8 個を、半分の大きさとタブ画像の大きさに縮めたところ。どれも画素どおりの大きさ(絵は画像生成 AI の出力)撮影・作図: 編集部

字の高さは、元の 57〜62 ピクセルから、半分で 28〜30、タブの大きさで 12〜14 ピクセルになります。ひらがなだけの 6 個は、12〜14 ピクセルでも読めました。「了解です!」の「解」と「お疲れさま」の「疲」は線が混み合い、暗い背景ではさらに読みにくくなります。キャラクターのそばに描かれた、動きを表す茶色い小さな線も、暗い背景では見えにくくなりました。

スタンプ審査ガイドラインでは、却下や販売中止になる場合がある項目の 1 つに「1.3.視認性が悪いもの(例:横長な画像や、8頭身キャラクターの全身など)」が入っています。小さく出る場面を考えるなら、「りょうかい」「おつかれさま」とひらがなにする手もあります。字をあとから入れる作り方なら、言葉を替えても絵は作り直さずに済み、クレジットもかかりません。

仕上げで工夫したこと: 余白・偶数・字の形

LINE の制作ガイドラインの決まりは、次のとおりです(2026年10月26日に確認)。

項目 ガイドラインの言葉 今回の仕上がり
スタンプ画像 「8個/16個/24個/32個/40個」・「横370px × 縦320px ※最大」・「1MB以下 ※1個あたり」 8 個・240〜356×320 ピクセル・77〜92KB
メイン画像 「横240px × 縦240px」 240×240・55KB
トークルームタブ画像 「横96px × 縦74px」 96×74・7KB
形式 「フォーマットはすべてPNG形式です。」「画像のサイズは、自動的に縮小されるため偶数にしてください。」「画像の解像度は72dpi以上、カラーモードはRGBにしてください。」 PNG・幅と高さは偶数・72dpi
余白 「トリミングされた画像の外枠とコンテンツの間には10pxぐらいの余白が必要です。」 上下左右 10 ピクセル
まとめて上げるとき 「ZIPファイルを60MB以下にしてください。」 10 ファイルで 0.75MB

工夫したのは 4 つです。

  • 2 倍の大きさで組んでから縮める: 字と絵を 2 倍の大きさで並べてから半分に縮め、字のふちをなめらかにしました。
  • 余白を切ってから足す: 絵のまわりの余白をいったん切り落とし、上下左右に 10 ピクセルを足してから、幅と高さを偶数にそろえました。
  • 絵の中の字だけ半角に: 全角の「!」「!?」は、Noto Sans CJK JP では字の間が空いて見えたので、絵の中だけ半角の「!」「!?」にしました。
  • タブ画像は全身で: 最初は顔だけを切り出しましたが、体の途中で切れた線が目立ったので、全身を縮めました。

字の書体は Noto Sans CJK JP の Black です。SIL Open Font License 1.1 で配られていて、ライセンスでは、フォントだけを単体で売ることが禁じられています。丸文字にしたいなら、B のように AI に字まで描かせるか、丸文字のフォントに替える方法があります。フォントを替えるときは、そのフォントの利用条件を先に読んでください。

手元の処理は 2 つのファイル・157 行で、8 個とメイン画像・タブ画像を 45 秒で仕上げました。

費用と時間: 117.4 クレジットのうち、完成品の分は 38.9

横棒グラフ。完成品の 9 枚(設定画 1 と絵 8)は 38.9 クレジット、「了解です!」の作り直しで使わなかった 3 枚は 13.9、比較のための試作 15 枚は 64.6(A 1 枚に 8 個 4.2・B 字も AI の 8 個 36.8・AI に透過を頼んだ 4 個 18.5・設定画を渡さない 2 個 5.1)。下に、1 枚のクレジットは設定画を渡すと 4.6・渡さないと 2.6・8 個を 1 枚にすると 4.2、AI が絵を返した時間は 27 枚の合計で 8 分 16 秒、手元の仕上げは 45 秒(1 個 5.4〜5.8 秒)横棒グラフ。完成品の 9 枚(設定画 1 と絵 8)は 38.9 クレジット、「了解です!」の作り直しで使わなかった 3 枚は 13.9、比較のための試作 15 枚は 64.6(A 1 枚に 8 個 4.2・B 字も AI の 8 個 36.8・AI に透過を頼んだ 4 個 18.5・設定画を渡さない 2 個 5.1)。下に、1 枚のクレジットは設定画を渡すと 4.6・渡さないと 2.6・8 個を 1 枚にすると 4.2、AI が絵を返した時間は 27 枚の合計で 8 分 16 秒、手元の仕上げは 45 秒(1 個 5.4〜5.8 秒)
クレジットの内訳と、1 枚のクレジット・時間(YOBITSUGI AI の記録から)撮影・作図: 編集部

27 枚で、合計 117.4 クレジットを使いました。内訳は、完成品の 9 枚(設定画 1 枚と絵 8 枚)が 38.9、作り直しで使わなかった 3 枚が 13.9、作り方を比べるための試作が 64.6 です。

8 個を 1 枚にまとめる A は、1 個あたり 0.5 クレジットで、1 個ずつ頼む場合の 9 分の 1 ほどです。ただし首のスカーフの帯が 8 個中 4 個で消え、白いフチも頼み忘れていました。A を使うなら、プロンプトにフチを書き足し、8 個を 1 つずつ見直す手間を見込んでください。

AI が 1 枚を返すまでは 13.9〜24.7 秒で、27 枚を足すと 8 分 16 秒です。設定画を頼んでから仕上げまでの 18 分は、作業の記録にある時刻から数えました。AI が絵を返すのを待つ時間、Claude Code が透過や字入れの処理を書いて動かした時間、比較のための試作がすべて入っています。人が手作業で同じものを作る時間は測っていません。

LINE の決まりで、AI に触れていたのは 1 か条だけ

制作ガイドライン・スタンプ審査ガイドライン・利用規約と、ヘルプセンターの「著作権⋅審査」「スタンプ」の項目を、2026年10月26日に読みました。AI に触れていたのは、利用規約(最終更新日 2026年7月1日)の 8.13 だけです。

8.13. 当社は、以下の各号の場合に、クリエイターが作成した本コンテンツがAIによって生成されたまたは制作過程においてAIを使用して生成されたコンテンツ(以下「AI生成本コンテンツ」といいます。)である旨を当社の裁量と判断により表示します。(中略) (1) クリエイターからの申告に基づく場合 (2) 当社がAI生成本コンテンツであると判断した場合 (3) 当社がAI生成本コンテンツの可能性があると判断した場合

AI で作ったことは、作った人の申告だけでなく、LINEヤフーの判断でも表示されることがあります。申請の画面に申告の欄があるかは、アカウントを作っていないため分かりません。

3 つの枠。利用規約 8.13 は、AI によって生成された、または制作過程で AI を使って生成されたコンテンツである旨を、当社の裁量と判断により表示する、とし、申告に基づく場合・当社が AI 生成と判断した場合・その可能性があると判断した場合の 3 つを挙げる。スタンプ審査ガイドラインは、1.7 スタンプ内の文字に誤りがあるもの、5.1 使用されている素材がサードパーティの利用条件に違反しているもの、5.2 権利の所在が明確でないもの(例:二次創作など)。「AI」という語は見当たらなかった。制作ガイドラインは、横370px × 縦320px ※最大、1MB以下 ※1個あたり、フォーマットはすべてPNG形式です、イラストなどの背景は透過にしてください。下に、人が決める・確かめることとして、AI で作ったと申告するか、使った画像 AI の規約で作った絵を売ってよいか、既存のキャラクターに似ていないか・字に誤りがないか3 つの枠。利用規約 8.13 は、AI によって生成された、または制作過程で AI を使って生成されたコンテンツである旨を、当社の裁量と判断により表示する、とし、申告に基づく場合・当社が AI 生成と判断した場合・その可能性があると判断した場合の 3 つを挙げる。スタンプ審査ガイドラインは、1.7 スタンプ内の文字に誤りがあるもの、5.1 使用されている素材がサードパーティの利用条件に違反しているもの、5.2 権利の所在が明確でないもの(例:二次創作など)。「AI」という語は見当たらなかった。制作ガイドラインは、横370px × 縦320px ※最大、1MB以下 ※1個あたり、フォーマットはすべてPNG形式です、イラストなどの背景は透過にしてください。下に、人が決める・確かめることとして、AI で作ったと申告するか、使った画像 AI の規約で作った絵を売ってよいか、既存のキャラクターに似ていないか・字に誤りがないか
LINE の決まりのうち、AI で作るときに関わるところ(原文のまま・2026年10月26日に確認)撮影・作図: 編集部

スタンプ審査ガイドラインには「AI」という語はありませんでした。それでも、AI で作るときに関わる項目はあります。

  • 「1.7.スタンプ内の文字に誤りがあるもの」: AI に字を描かせたら、1 字ずつ読みます。今回は 18 個とも正しい字でしたが、次も正しいとは限りません。
  • 「5.1.当社または第三者の商標権、著作権、特許権、意匠権などの知的財産権を侵害し、または使用されている素材がサードパーティの利用条件に違反しているもの」: 使った画像 AI の規約が、作った絵を売ることを認めているかを確かめます。確かめ方は連載の第 8 回にまとめています。
  • 「5.2.権利の所在が明確でないもの(例:二次創作など)」「5.3.肖像権、パブリシティ権などを侵害しているもの(例:許諾を得ていない人物の顔、似顔絵など)」: 既存のキャラクターに似せた絵や、友だちの顔を AI で似顔絵にしたスタンプは、この項目に当たるおそれがあります。

審査に通れば安心、というわけでもありません。利用規約の 13.1 には「当社による本コンテンツの審査、承認または選定は、本規約に定めるクリエイターの責任を否定するものではありません。」とあります。

お店のキャラクターで作るときは、制作ガイドラインのこの部分も読んでおきます。「有料で提供されるスタンプは、宣伝を目的として販売できません。そのため、スタンプの画像、タイトル、テキストでの告知(○月○日発売など)や企業ロゴのみの掲載はできません。」 スタンプ審査ガイドラインの 4.2「個人的な利用の範囲を超えて、第三者へ無償・有償で提供する目的であるもの」には、例として「企業キャンペーンなどにより、来店者へスタンプをプレゼントするなど」が挙がっています。

AI に任せられたのは、絵を描くところまで

透過と大きさは、手元の処理で決まりどおりにそろいました。残った 5 つは次のとおりで、どれも人が決めるか、人が見て確かめるところです。

  1. 言葉とポーズ: キャラクターの体で描けるポーズか。敬礼のように描けないときは、言葉に合う別のポーズを選ぶ。
  2. 字: AI が描いた字は 1 字ずつ読む。縮めて読めるか、暗い背景でも読めるかを見る。
  3. 似ていないか: 既存のキャラクターや実在の人に似ていないか。編集部は目で見ただけで、画像検索はしていません。申請や公開の前には、画像検索もかけておくと安心です。
  4. 画像 AI の規約: 作った絵を売ってよいか、どんな条件が付いているか。
  5. AI で作ったと申告するか: 利用規約 8.13 のとおり、申告しなくても表示されることがあります。

自分の場合は、作り方をこう選ぶ

こんなとき 今回の結果から選ぶ作り方
スマホで、家族や友だちに送るものを手早く作りたい 字も背景の透過も AI に頼む。届いた絵の字を 1 字ずつ読み、暗い背景でも見る
8 個の字の形をそろえたい・あとで言葉を替えたい 字のない絵を AI に描かせ、字はあとから入れる(C)
まず安く、たくさんの案を見たい 1 枚に 8 個(A)で案を出す。1 個 0.5 クレジット。スカーフなどの目印と白いフチは 1 つずつ見る
お店のキャラクターで作りたい 宣伝の文句やロゴだけの画像は入れない。来店した人に配るつもりなら、審査ガイドラインの 4.2 を先に読む

どの作り方でも、AI の絵は 1024×1024 ピクセルなどで届くので、370×320 ピクセル以内に縮めて余白を整える作業は残ります。LINE には公式のアプリ「LINEスタンプメーカー」もあり、スマホでスタンプを作って販売まで進められます(今回は使っていません)。

最初に字が沈んだ「おはよう」は、背景を抜いたあとに字を入れるようにしただけで、暗い背景でもはっきり読めるようになりました。前回のショート動画でも、字幕は映像と分けてあとから重ねています。AI の絵に字を焼き込まず、あとで載せる部品として持っておく。スタンプでも、それがいちばん直しやすい作り方でした。

参考にした公式の情報

連載・作ってみた AIで作る

連載はここまでです

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。気になった回は、何度でも読み返せます。

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執筆者

佐々木 航@w_sasaki

with Claude Code

プロフィール

株式会社Game 代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

この記事は、Claude Code を使って執筆しました。画面の画像は、検証環境で実際に操作して撮影したものです(引用の画像は出典を記載しています)。内容の誤りはお問い合わせからお知らせください。