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連載・作ってみたAIで作る

#11/ 全12回

AIで年賀状は作れる? 2027年(未年)の絵柄を26枚、外れたのは字でなく干支

佐々木 航@w_sasakiwith Claude Code読了 約9分

この記事でわかること

  • 「2027年」とだけ頼むと干支はどうなるか、2つのAIの結果
  • 画像の中の賀詞の誤字と、頼んでいない文
  • 字をあとから載せて、はがきの大きさに仕上げる考え方

確認した環境: YOBITSUGI AI(画像生成 gpt-image-2.5-flare・Nano Banana 2.1)・仕上げはHTMLとChromeのPDF出力 / 2026年10月27〜28日に作成

画像生成AIに日本語を書かせると崩れる。年賀状づくりの解説でよく見かける注意です。2027年(未年)の年賀状を2つのAIで26枚作ると、頼んだ賀詞や店名の256字は1字も崩れませんでした。外れたのは字ではなく、干支のほうです。

左に題、右に3枚の絵。干支を外した鶏の年賀状、ひつじの年賀状、字をあとから載せて仕上げたひつじのはがき
この回の扉作図: 編集部

「2027年の年賀状のイラストを作ってください。」とだけ頼むと、GPT-Image-2.5は4枚とも馬か鶏を描きました。2027年は未(ひつじ)年です。同じ1文で、Nano Banana 2.1は4枚ともひつじを描いています。

AIに任せられたのは、絵を描くところまででした。干支と文面と大きさは、人が決めて確かめる必要があります。最後は、文字の無い絵に編集部が字を載せ、はがきの大きさ(100×148mm)のPDFに仕上げました。

絵はYOBITSUGI AI(複数のAIをまとめて使えるサービス)の画像生成で作りました。YOBITSUGI AIとハック!でAIは、どちらも株式会社Gameが運営しています。26枚で使ったのは計229.58クレジットです。

4通りの頼み方を、2つのAIで2枚ずつ作った

年賀状の絵で迷うのは、干支を正しく描くか、賀詞の字が崩れないか、はがきに刷れる大きさかの3つです。それぞれを確かめるために、頼み方を4通り用意しました。

頼み方 中身 確かめたいこと
a 「2027年の年賀状」とだけ頼む 干支を知っているか
b 未年・ひつじ・松と梅、「謹賀新年」「2027」の字 短い字が崩れないか
c パン屋の年賀状。あいさつ文と店名まで5つの文 長い字が崩れないか
d ひつじと松と梅。文字は入れず、上の3分の1は余白 字をあとから載せるための絵

実際に渡した文は次のとおりです。パン屋の店名は架空です。

a: 2027年の年賀状のイラストを作ってください。

b: 2027年(未年・ひつじ年)の年賀状のイラストを作ってください。かわいいひつじと、松と梅。「謹賀新年」と「2027」の文字を入れてください。和風、はがきの縦長。

c: パン屋の年賀状を作ってください。ひつじがクロワッサンを抱えている絵。文字は「謹賀新年」「旧年中は格別のご愛顧を賜り厚く御礼申し上げます」「本年もよろしくお願いいたします」「2027年 元旦」「ベーカリーこむぎ」。はがきの縦長。

d: 2027年(未年・ひつじ年)の年賀状の絵を作ってください。ひつじと松と梅、和風。文字は1字も入れないでください。上の3分の1は、あとで文字を載せるので、無地の余白にしてください。はがきの縦長。

使ったAIは、OpenAIの標準モデルとGoogleのNano Banana 2.1です。OpenAIのほうは、YOBITSUGI AIの画像のツールで「gpt-image-2.5-flare」と表示されるモデルで、この記事ではGPT-Image-2.5と書きます。同じ文を2回ずつ別々に作り、aだけはGPT-Image-2.5でもう2枚足しました。Nano Banana 2.1の最初の8枚は横長で届いたため、縦長で作り直しています(理由は後で書きます)。合わせて26枚です。

「2027年」とだけ頼むと、片方は4枚とも干支を外した

上の段はGPT-Image-2.5の4枚。白い馬に「午」の印、鶏に「酉」の印、鶏に「午」の印、鶏。すべてバツ。下の段はNano Banana 2.1の4枚で、すべてひつじ。うち2枚は横長。下に、2027年は未年、午は2026年、酉は2029年の干支、と注記上の段はGPT-Image-2.5の4枚。白い馬に「午」の印、鶏に「酉」の印、鶏に「午」の印、鶏。すべてバツ。下の段はNano Banana 2.1の4枚で、すべてひつじ。うち2枚は横長。下に、2027年は未年、午は2026年、酉は2029年の干支、と注記
「2027年の年賀状のイラストを作ってください。」とだけ頼んだ8枚。GPT-Image-2.5は馬と鶏、Nano Banana 2.1はすべてひつじを描いた画像生成AIで作成したイメージ

GPT-Image-2.5の1枚目は白い馬で、隅に「午」の印がありました。午は2026年の干支です。2枚目は鶏に「酉」の印で、酉は2029年です。3枚目は鶏なのに「午」の印が押されていて、絵と印まで食い違っていました。

文字はどれも整っていて、1枚目には「2027令和9年」と正しい元号まで入っています。年は合っているのに、干支だけが外れました。

Nano Banana 2.1は、縦長と横長の4枚とも、ひつじを描きました。3枚には「令和九年 元旦」の字もあり、年と干支がそろっています。

なぜ片方だけ外れたのかは、今回の結果からは決められません。年と干支を結びつける知識の差なのか、年賀状の絵として多く見てきた干支に引っぱられたのかは、確かめていません。

はっきりしたのは、文で書けば外れないことです。「未年・ひつじ年」と書いたb・c・dは、2つのAIとも18枚すべてひつじでした。年賀状を頼むときは、年だけでなく干支の名前まで書いておくのが確実です。

頼んだ字は256字とも正しく、外れたのは頼んでいない文

上に、GPT-Image-2.5とNano Banana 2.1のパン屋の年賀状の文字の部分を原寸で切り出した2枚。どちらも、謹賀新年、旧年中は格別のご愛顧を賜り厚く御礼申し上げます、本年もよろしくお願いいたします、2027年元旦、ベーカリーこむぎが正しく書かれている。下の左に、頼んだ字256字で誤字0。下の右に、頼んでいない文として、GPTのお祈りの文と午・酉の印、Nano Bananaの謹賀新年の下のあけましておめでとうございます、令和九年元旦上に、GPT-Image-2.5とNano Banana 2.1のパン屋の年賀状の文字の部分を原寸で切り出した2枚。どちらも、謹賀新年、旧年中は格別のご愛顧を賜り厚く御礼申し上げます、本年もよろしくお願いいたします、2027年元旦、ベーカリーこむぎが正しく書かれている。下の左に、頼んだ字256字で誤字0。下の右に、頼んでいない文として、GPTのお祈りの文と午・酉の印、Nano Bananaの謹賀新年の下のあけましておめでとうございます、令和九年元旦
頼んだ字と、頼んでいない文。パン屋の長いあいさつ文も、店名も崩れなかった画像生成AIで作成したイメージ

字を指定して頼んだ縦長の8枚を、原寸に広げて1字ずつ読みました。「謹賀新年」「2027」が4枚、パン屋の5つの文が4枚で、合わせて256字です。誤字は0字でした。「旧年中は格別のご愛顧を賜り厚く御礼申し上げます」のような長い文も、「ベーカリーこむぎ」の店名も崩れていません。

LINEスタンプを作った回でも、AIが描いた18個の字に誤字はありませんでした。少なくともこの2つのモデルでは、「AIの絵の日本語は崩れる」という注意は当てはまらなくなっています。

困ったのは、頼んでいない文です。干支を書かなかったaでは、GPT-Image-2.5が「本年が皆さまにとって幸せあふれる一年になりますように」のような文を足し、違う干支の印まで押しました。Nano Banana 2.1の1枚は、「謹賀新年」の下に「あけましておめでとうございます」も書いていました。

「謹賀新年」と「あけましておめでとうございます」は、どちらも新年を祝うあいさつです。1枚に並べると同じあいさつを2回することになるので、編集部ならどちらか1つにします。字が正しくても、何を書くかまでAIに任せると、こうした文が紛れこみます。

はがき1枚には、どちらも少し足りない大きさで届いた

横棒の図。300dpiの目安は1181×1748、GPT-Image-2.5は1024×1536で約260dpi、Nano Banana 2.1は848×1264で約215dpi。下の左は、横長の枠に縦長のはがきを2枚並べて描いた絵。下の右は、四辺に白いふちが描かれたひつじの絵横棒の図。300dpiの目安は1181×1748、GPT-Image-2.5は1024×1536で約260dpi、Nano Banana 2.1は848×1264で約215dpi。下の左は、横長の枠に縦長のはがきを2枚並べて描いた絵。下の右は、四辺に白いふちが描かれたひつじの絵
届いた画像の大きさと、はがきを300dpiで刷るのに要る大きさ。下は、横長で作らせた失敗と、絵の中の白いふち画像生成AIで作成したイメージ

はがきは100×148mmです。300dpiで刷るとすると、1181×1748ピクセルが要ります。届いた画像は、GPT-Image-2.5が1024×1536ピクセル、Nano Banana 2.1が848×1264ピクセルでした。はがきの大きさに当てはめると、それぞれ約260dpiと約215dpiで、どちらも少し足りません。

縦横の比も、はがきとは少し違います。届いた画像は2:3(1:1.5)で、はがきは1:1.48です。全面に敷くと、上下がわずかに切れます。

ここで1つ失敗しました。Nano Banana 2.1の最初の8枚は、大きさの指定を編集部が書き損じ、横長(1536×1024)で作られています。横長の枠に「はがきの縦長」を描かせると、縦長のはがきを2枚並べた絵や、灰色の余白の中にはがきを置いた絵になりました。縦長か横長かは、プロンプトの文ではなく、画像のツールの設定で決まります。

縦長で作り直したNano Banana 2.1の絵にも、癖がありました。はがきの形そのものを絵の中に描き、四辺に白いふちが付いた絵があります。そのまま全面に刷ると、はがきの内側に白い枠が出ます。

文字の無い絵に、字は自分で載せた

3つの段階。1は文字なしで上の3分の1が余白のひつじの絵。2は謹賀新年と、旧年中は大変お世話になりました、本年もどうぞよろしくお願いいたします、二〇二七年元旦の文字だけの面。3は絵と字を重ねたはがき。下に、人が見る所として、干支、頼んでいない文と印、ふちと大きさ3つの段階。1は文字なしで上の3分の1が余白のひつじの絵。2は謹賀新年と、旧年中は大変お世話になりました、本年もどうぞよろしくお願いいたします、二〇二七年元旦の文字だけの面。3は絵と字を重ねたはがき。下に、人が見る所として、干支、頼んでいない文と印、ふちと大きさ
仕上げの流れ。AIには文字の無い絵だけを頼み、文面は自分で決めて、はがきの大きさに書き出した画像生成AIで作成したイメージ

字がいくら正しくても、何を書くかを決めるのは人です。そこで、AIには文字の無い絵だけを頼みました。dの「文字は1字も入れない」「上の3分の1は余白」は、2つのAIとも4枚すべて守っています。

余白に載せる文面は、編集部が決めました。「謹賀新年」に「旧年中は大変お世話になりました」「本年もどうぞよろしくお願いいたします」、日付は「二〇二七年 元旦」です。字体は明朝体の「Noto Serif CJK JP」です。SIL Open Font Licenseで公開されていて、印刷にも使えます。

仕上げは、はがきと同じ100×148mmのページをHTMLで作り、全面に絵を敷いて、その上に字を置く形にしました。Chromeで、100×148mmのPDFと、300dpiの画像(1181×1747ピクセル)に書き出しています。字は画像ではなく文字として載るので、PDFではどれだけ広げても字の縁がにじみません。

上に、同じ文面を載せたはがき2枚。左はGPT-Image-2.5の絵で、日の出と富士山と松と梅とひつじ。右はNano Banana 2.1の絵で、松と梅とひつじ2頭、四辺に白いふち。下に、ひつじの顔のあたりを同じ実寸で切り出して2倍に広げた比べ上に、同じ文面を載せたはがき2枚。左はGPT-Image-2.5の絵で、日の出と富士山と松と梅とひつじ。右はNano Banana 2.1の絵で、松と梅とひつじ2頭、四辺に白いふち。下に、ひつじの顔のあたりを同じ実寸で切り出して2倍に広げた比べ
できたはがき2枚と、同じ実寸(25mm角)を2倍に広げた比べ画像生成AIで作成したイメージ

絵は、はがきの大きさに合わせて広げています。GPT-Image-2.5の絵は約1.15倍、Nano Banana 2.1の絵は約1.39倍です。同じ実寸を画面で2倍に広げて見ると、どちらもイラストの調子なので粗さは目立ちにくく、Nano Banana 2.1の線が少し甘い程度でした。紙には刷っていないので、刷り上がりまでは確かめていません。

同じことは、はがきの大きさの文書を作れるソフトなら、どれでもできます。絵を全面に貼り、字は自分で打ち込むだけです。

26枚で229.58クレジット、1枚の値段は2つで4倍以上違った

回 枚数 クレジット 画像1枚 かかった時間
GPT-Image-2.5(a〜d) 8 44.58 1.81〜1.88 139秒
Nano Banana 2.1(横長・書き損じ) 8 82.35 8.23〜10.19 253秒
Nano Banana 2.1(縦長)とGPT-Image-2.5(aを2枚) 10 102.65 7.77〜9.57と1.82 235秒
合計 26 229.58

画像1枚の値段は、GPT-Image-2.5が1.81〜1.88クレジット、Nano Banana 2.1が7.77〜10.19クレジットで、4倍以上の差がありました。表のクレジットは1回の依頼の合計で、画像の分に加えて、頼み方を受け取って画像を作らせた取りまとめのAIの分を含みます。横長で届いた8枚(82.35クレジット)は書き損じの分なので、最初から縦長で頼めば約147クレジットで済んでいました。

年賀状の絵はAIに、干支と文面と日付は自分で

26枚を作って分かった、人が決める所は4つです。

  1. 干支は名前まで書く。「2027年」だけでは外れることがある。届いた絵も、干支の動物と印を見る。
  2. 文面は自分で決める。字は崩れなくても、頼んでいないあいさつや違う干支の印が紛れこむ。文字の無い絵を頼み、字はあとから載せると、文面を自由に直せる。
  3. 大きさとふちを見る。はがきを300dpiで刷るなら1181×1748ピクセルが目安で、届いた絵はどちらも少し小さかった。縦横はツールの設定で決め、白いふちが描かれていないかも見る。
  4. 出す日を決める。2027年用の年賀はがきは2026年11月2日に発売され、年賀郵便の引き受けは12月20日から、元日に届けるには12月27日までに出すのが目安です(日本郵便の発表)。

お店や会社の年賀状に使う場合は、作ったAIの規約で商用の扱いも確かめてください。考え方は生成AIの著作権と商用利用 作る前と公開の前に確かめる4つのことにまとめています。

まずは、「未年・ひつじ年」と干支を書き、「文字は入れない」「上の3分の1は余白」と添えて、1枚頼んでみてください。字は、届いた絵の余白に自分で載せます。

参考にした公式の情報

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執筆者

佐々木 航@w_sasaki

with Claude Code

プロフィール

株式会社Game 代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

この記事は、Claude Code を使って執筆しました。画面の画像は、検証環境で実際に操作して撮影したものです(引用の画像は出典を記載しています)。内容の誤りはお問い合わせからお知らせください。