マルチ AI はどう使い分ける? 4 つの型と、告知の一式を頼んだ記録

この記事でわかること
- マルチ AI の 4 つの型と、型ごとに向いている仕事
- どの型から始めるかを決める 3 つの問い
- 告知画像・チラシ・動画・Web ページを 1 回で頼んだときに、AI がしたこと
確認した環境: YOBITSUGI AI(Claude Opus 5.5)で実行 / ほかのサービスは各社の公式のページで確認 / 2026年10月22日に確認
文章は ChatGPT、画像は別のサービス、動画はまた別のサービス。AI を仕事に使うほど、契約と画面が増えていきます。そこで、複数の会社の AI を 1 つの画面や 1 つの依頼で使える「マルチ AI」が増えました。ただ、名前は同じ「マルチ」でも、使い方はかなり違います。
この記事では、マルチ AI を「自分がすること」と「AI に任せる範囲」で 4 つの型に分け、仕事の場面ごとの選び方をまとめます。後半は、そのうちの 1 つ、YOBITSUGI AI に告知の一式を実際に頼んだ記録です。
なぜ、型で分けるのか
マルチ AI を選ぶとき、まず「どのモデルが使えるか」を見たくなります。けれど、毎日の使い心地を決めるのは、モデルの数よりも誰が何をするかです。
同じ「チラシを作りたい」でも、自分でモデルを選んで 1 枚ずつ作るのか、話すだけでファイルまで仕上げてもらうのかで、かかる手間はまるで違います。答えの確かさが気になるなら、1 つの AI に聞くより、複数の答えを並べたほうが早いこともあります。
ハック!でAI の連載「同じお題で AI を比べる」では、この 20 回、同じお題を複数の会社の AI に出し、できた物と料金を並べてきました。モデルを選び、文を渡し、答えを並べる。振り返ると、あれは人の手でやる「比べる型」でした。いまは、その手間をサービスが引き受ける形が増えています。
マルチ AI の 4 つの型を知る

- 任せる型(エージェント型): やりたいことを話すと、AI が段取りを決め、ほかの AI や道具を呼んで、ファイルまで仕上げます。告知の一式、提案のスライド、Web ページのように、できあがりがファイルの仕事に向いています。
- 話す型(チャット型): 1 つの画面で、モデルを選んで話します。メールの下書きや要約のように、毎日の文章の仕事に向いています。
- 比べる型: 同じ質問を複数のモデルに一度に送り、答えを並べます。GMO天秤AI は最大 6 つの AI の答えを並べます。Felo の LLM Playground(最大 4 つ)や、Perplexity の Max プランで使える Model Council(3 つ)にも、同じような機能があります。答えが分かれそうな確認に向いています。
- 調べる型(検索型): Web を調べて、根拠のページを添えて答えます。下調べや最新の情報の確認に向いています。
任せる型は、旅行の手配を、腕のいい幹事に丸ごと頼むのに似ています。宿や電車は幹事が選び、こちらは「来週の金曜、温泉に 4 人で」と伝えるだけ。ただ、最後に「本当にその日でいいか」を確かめるのは、頼んだ側の役目です。
どの型から始めるか決める

仕事の場面に当てはめると、たとえば次のようになります。
- お店や個人で、告知や販促物を自分で作っている: 任せる型。画像・チラシ・動画をまとめて頼めると、作業の時間を減らせることがあります。
- 企画や営業で、下調べが多い: 調べる型。答えの根拠のページを開けるので、資料に引用するときに確かめやすくなります。
- 社外に出す文の言い回しや、規程の読み方で迷う: 比べる型。モデルによって答えが分かれる所が、並べると見えます。
- 毎日のメールや議事録が中心: 話す型。使いたいモデルが入っているかと、回数の上限を見て選びます。
実際に、任せる型で告知の一式を頼んだ
任せる型で、どこまで任せられるのか。YOBITSUGI AI に、架空のパン屋の新商品の告知を、次の文でまとめて頼みました(2026年10月22日)。
駅前の小さなパン屋「こむぎ日和」(架空のお店です)で、10 月 31 日(土)に秋の新商品「さつまいもとくるみのパン」を発売します。告知に使うものを一式つくってください。
- お店の Instagram に載せる、正方形の告知画像
- 店頭に貼る A4 縦のチラシ(PDF)。商品名・発売日 10/31(土)・価格 280 円(税込)・営業時間 7:00〜18:00 を入れてください
- SNS に載せる、5 秒ほどの縦長の短い動画(料金の安いモデルでかまいません)
- 告知の Web ページ 1 枚(上の画像と動画も使ってください)

4 分 39 秒で、4 つがそろいました。



何にどれだけかかったか
- 時間: 頼んでから受け取るまで 4 分 39 秒。
- クレジット: この会話で使ったのは 193.78 クレジットです(会話の記録の合計。YOBITSUGI AI は 1 クレジット = 税抜 1 円・料金ページ)。YOBITSUGI AI の答えでは、このうち画像 2 枚が約 17、動画 2 本(作り直しを含む)が約 54 でした。残りは、段取りを決めてチラシや Web ページを組んだエージェントの分と考えられます。
- 使われた AI: 画像は OpenAI の GPT-Image-2.5(Flare)、動画は xAI の Grok Imagine Video 1.5(lite)。動画は「料金の安いモデルで」と頼んだので、AI が lite の版を選びました。
AI は自分で仕上がりを直していた
- 画像の字を読み直し、合わない動画とチラシを直した。 色が合わない動画を作り直し、チラシの文字の重なりを直しました。頼んだ側は、一度も指示を足していません。
- 頼んでいない文も、少し足していた。 チラシの一言(「ほっくり甘い、秋のごちそうパン」)と紹介文、「数に限りがございます」の注意書きは、AI が書き足したものです。AI は答えの最後で、紹介文と注意書きを「お店に合わせて直してください」と知らせていました。住所・電話番号・地図は渡していないので、入っていません。
- 作るものの中では、動画が画像より高い。 画像 2 枚は約 17 クレジット、動画は作り直しを含めて約 54 でした。動画を何本も作り直すと、ここが増えます。
なぜ、AI が自分で直せたのか。今回の記録では、画像を作ったあとに、その画像を読み込んで確かめる手順が入っていました。YOBITSUGI AI のエージェントは、作る AI(画像・動画)とは別に、できたものを見て直す役も受け持っていると考えられます(編集部の推測)。話す型では、この「見て直す」を人がします。
載せる前に、人が確かめること
- 値段・日付・時刻は、人が 1 字ずつ読み直す。 今回は正しく入っていましたが、告知物は 1 字の誤りで作り直しになります。
- AI が足した文は、自分の言葉に直す。 書き足しの文や注意書きは、お店の方針と合っているかを確かめます。
- 入れるデータの扱いを確かめる。 入力を学習に使うかどうかは、サービスとプランで違います。会社の情報を入れる前に、プライバシーポリシーと設定を見てください。
- 料金の形を確かめる。 多くのマルチ AI はクレジット制です。同じ月額でも、1 回の依頼で使う量は作るものによって大きく変わります。
次にやること
- 来週使う告知や資料を 1 つ決める ふだん自分で作っているものから選ぶと、手間が減ったかを比べられます。
- 3 つの問いで型を決め、無料の枠で 1 回頼む YOBITSUGI AI は、新規登録で 300 クレジットが付きます(予算に達し次第終了)。ほかのサービスの無料の枠と料金は、「マルチ AI 10 選」で比べられます。
- できたものを、値段・日付・固有名詞から読み直す 使ったクレジットと時間も書き留めておくと、次に頼むときの見当になります。
参考にした公式の情報
執筆者
株式会社Game 代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。
この記事は、Claude Code を使って執筆しました。画面の画像は、検証環境で実際に操作して撮影したものです(引用の画像は出典を記載しています)。内容の誤りはお問い合わせからお知らせください。


